ドラマ「Nのために」最終回の感想ブログ【後半】になります。
最終回の感想ブログ【前半】に引き続いて、あらすじに沿ってご覧ください。
原作とは少し異なるエンディングになってはいますが、これはこれでとてもよくできた脚本で、しっかりとそれぞれの”Nたち”の、”その先”を描いています。
誰にも頼らずに生きていこうと決意していた希美の心の変化にも、関わって来た”Nたち”の想いが影響しているのでしょう。
少し明るい、希望の持てるエンディングになりました。
―2014年―
安藤からプロポーズをされていた希美は、病気のことを知る成瀬からも、告白される。
希美:「もしかして病気のこと、西崎さんから聞いた?」
成瀬:「島には帰りたぁないんか?」
「親にも世話になりたない?」
希美:「もう何年も会ってない。」
「お母さんと弟は高松におる。」
「お母さんずいぶん前に再婚したんよ。」
「会いに来てくれてありがとう。」
「成瀬君、自分の野望覚えとる?」
成瀬:「どの?」
希美:『結婚した相手より後に死ね』
「もし一緒になっとったら、私が成瀬君の野望叶えられとったね。」
成瀬:「わからんよ。そのうち画期的な治療法が見つかって杉下の方が長生きするかもしれん。」
「杉下の思うとおりにしたらええよ。」
「杉下の人生や。生きたいように生きたらええ。」
「でも、待っとるよ。」
希美:「甘えられん。」
成瀬:「待っとる!」
成瀬の、何があっても”希美を受け止める覚悟”が伝わってきました。
成瀬君は、試練を乗り越え、恰好良い男に成長しましたね。
そんな中、さざなみ放火事件の真相を隠していた夏恵(原日出子)は高野(三浦友和)とともに東京へ戻ってきます。
高野:「なっちゃん、どうする?」
「このままふたりでだまっとこうか。」
「肝心の周平さんは亡くなっとるし。」
夏恵:「(手話で)あなたはどう思ってるの?」
高野:「なっちゃんと仲良く暮らしていきたいよ。」
夏恵:「(手話で)ごめんなさい。あなたに嘘ついた。」
高野:「長い間、人に言えんこと抱えて、心細かったろう。」
「安心しぃ。離れんよ!」
そう言って、夏恵を抱きしめるのだった。
夏恵は”あの事件”以来、出なくなっていた声を出し、泣いた。
夏恵は夫:高野茂の温かい思いに救われた。
失われていた声も戻る兆しが見え、この二人の夫婦にも希望の光が刺し始める。
互いを思いやる、夫婦の絆に心癒されました。
ところで、気が付いていましたか?
”夏恵=なっちゃん”
”N”だったんですね~
もうなんだか、”Nだらけ”って感じですが、不自然さを感じませんでしたね。
―場面は変わり―
希美は、担当の医師である多田(財前直見)の元へ…。
希美:「誰も悲しませずに死ぬことはできるんでしょうか?」
多田:「それはできないよ。」
「誰も悲しませずに生きるのが難しいのと同じ。」
「ひとりで生きていくことなんてできないんだから。」
希美:「本当にそうですよね。」
「ひとりで生きているつもりでも、必ず誰かに助けられてる。」
「そして、誰かに必要とされてる…。」
白衣姿の財前直見さんを見て、思わず『家族狩り』の山賀葉子のセリフ「送って差し上げる」を思い出してしまいました。
興味ありましたらどうぞ覗いてみてください。
家族狩りネタバレ・あらすじと最終回の結末
高野は夏恵とともに東京を離れることに。
そしてその前に、安藤に会いに行く。
高野:「安藤さんが知りたいことは未だ半端になっとります。」
「みんなあなたに何も話さんのですねぇ。」
「仕事柄、人が何かを隠すのはやましいことがあるからやと思っとりました。」
「ひとりよがりやと思うこともあるんですが、誰かを守るために無心に嘘をつくこともあるんですね。」
安藤:「高野さん、お願いがあります。」
安藤は高野から成瀬の連絡先を聞いて、成瀬を呼び出した。
安藤:「10年経って今さらだけど、一度会っておきたかった。」
成瀬:「話せるようなことは何もありません。」
安藤:「君から何も聞けないなら、事件のことは吹っ切ろうと思ってた。」
「ありがとう。時間とらせて悪かったね。」
成瀬:「あの日、杉下が考えていたのは安藤さんのことだったと思います。」
「あなたを守ろうとしていました。」
安藤:「杉下はいつも心の中で誰かを支えにしてたよ。」
「それは君だろ。」
成瀬:「島での生活にお互いの支えが必要だったんです。」
「あれから10年も経つんですね。」
「あっという間だった。」
「杉下のそばにあなたがいてくれてよかった。」
安藤:「会いにきて良かった。」
ふたりは違う立場でありながら、同じ女性を
ー 希美を思い合っているのだ。
希美は、高野から母:早苗(山本未來)の居場所を伝えられた。
母の職場へ様子を見ようと行ってみると、偶然に母の再婚相手に出くわしてしまい、逃げるようにしてバスに乗り込んでしまった。
希美が来ていたと聞いた母は、バスを必死に追いかける。
途中、転んでしまったのを見た希美はバスから降りるのだった。
―久しぶりの再会―
父親はいまだ健在で、元気に生きているらしい。
母:「洋ちゃんと希美ちゃんと3人になってから、希美ちゃんにひどいことしたね。」
「あの頃のことはあんまり覚えてないんよ。」
「気が付いたら、ふたりともママのそばにおらんかった。」
「ごめんなさいね。」
希美:「お母さん、話したいことがあるんよ。」
「悲しませるかもしれんけど、聞いてくれる?」
母:「なん?言うて。聞くよ!」
希美:「私、病気になった。」
「怖いんよ。」
「この世からいなくなってしまうんが。」
母:「全部話してみなさい。」
「大丈夫やけん。」
母は希美を精一杯抱きしめる…。
そして、ふたりのわだかまりが解けていきます。
母と娘の絆を切る事は出来ない事に気付かされます。
―野バラ荘―
西崎は、ようやく現実を生きていこうとしているようです。
就活をしていて、これから面接に向かうところ。
大家の野原(織本順吉)の爺さんも相変わらず元気そう。
野原:「いつだったか、西崎君と安藤君と希美ちゃんの3人で、この野バラ荘を守ってくれたことがあったね。」
「あれ、記憶違いだったかな?」
西崎:「いいや、3人だ。」
野原:「ふたりが友達で良かったね。」
そう言われた西崎の表情は晴れやかだった…。
―場面は変わり―
希美は安藤に電話をかけている。
希美:「やっぱり、もらえない。」
安藤からの求婚の指輪のことだ。
「実家の近くに引っ越すことにした。」
安藤:「そっか、意外だなそれ。」
希美:「狭いところが嫌で出てきたのにね。」
「安藤は広い世界見られた?」
安藤:「まだまだこれからだよ。」
希美:「今、思った通りに生きてる?」
「こうなりたいって思った通りに生きてる?」
安藤:「完璧じゃないけど、悪くない。」
希美:「良かった。」
安藤:「杉下は?」
希美:私もこれからかな。
安藤:「前を向いて生きろよ!」
「そっちの方が杉下らしいから。」
希美:「安藤もね。」
「誰にも邪魔されないで、行きたいところへ行ってほしい。」
「元気でね。」
ー希美の心の声ー
私に人生をくれた大切な人たち、ありがとう。
ー成瀬のいる島のレストランー
良く目を凝らして見ると、店の名前は『NOTRE』…。
ここにも”N”が使われています!
ノートル(notre)は=”私たちの”を意味しています。
なんとも憎い演出じゃないですか。
希美:「来たよ!」
そう言う希美の表情は明るく、前を向いているようだ。
原作とは違う少しハッピーなエンディングがココに描かれている
希美は、成瀬から島へ渡るフェリーの切符をもらっていました。
最初に手にしていた切符は島を出るためのものでしたね。
その切符には「3月9日にオープンしましたN」と書かれていました。
成瀬:「何、食べたい?」
希美:「おいしいもの。」
成瀬は希美の手をとり、抱き寄せるのだった…。
「今を生きる。前を向いて。」
―完―
いつも、胸が詰まる思いで、涙なしに見られなかったこのドラマですが、とても素敵なエンディングで、ホッとしました。
希美と成瀬が抱き合っていた、背景のの島の景色が何とも言えず美しかったです。
”それぞれのN”が、様々なことを乗り越え、そして前を向いて歩いて行く姿に、人生ってそれほど捨てたもんじゃないと思えたのは私だけでは無かったと思います。
何気なく観たドラマ「Nのために」は放送開始第1回目からはまってしまい、毎回涙腺が緩み放しで、あっという間に最終回を迎えてしまいました。
いまだに、”余韻”から抜け出せません。
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2014-12-30 18:15
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