ドラマ「Nのために」で、安藤はなぜチェーンを掛けたのだろうか?
そんな”疑問”を持った視聴者や原作読者の方は多かったのではないでしょうか?
わたし自身も、安藤の不可解な行動を理解出来ず、疑問のまま消化できないでいました。
▼安藤は疎外感を感じていた為の行動(?)
安藤は事件当日、希美と西崎が何か企んでいると薄々気づいていました。
野口夫妻宅のマンションのエレベーターで、西崎と偶然にも出会ってしまい、その思いを強くしました。
希美と西崎、そして「希美の彼氏」が野口宅に来ると西崎から聞いた安藤。
なぜ自分だけ何も知らされていないのかという疎外感を感じます。
自分だけ外されたという疎外感から、事件のあった野口夫妻のマンションの外側についているチェーンを掛けました。
自分の知らないところで、この部屋の中で何かしてるんだろ。
出られないようにしてやる!という”いたずら心”からだったも思えます。
エレベーターホールで安藤と鉢合わせしてしまった西崎に向かって、安藤は「なんか企んでるんだろう?」と疑います。
西崎は「偶然だ。縁があるというやつじゃないのかな。」と誤魔化そうとしますが、成瀬も一緒じゃないのか?と安藤に問い正され、「なにしろ彼は杉下の罪の共有、究極の愛の相手だ。」と成瀬のことを口を滑らせてしまいます。
西崎の言葉に、安藤は野口にラウンジで待っているよう言われるますが、希美のことで頭がいっぱいになってしまいます。
そして、安藤の心の中は嫉妬とも不安ともつかない気持ちでいっぱいになってしまいます。
そして、48階の野口の部屋へ行き、インターフォンを押そうとするが、ふと、玄関の外側のチェーンをかけてしまいます。
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▼安藤はなぜ?そんなことを!?(なぜチェーンを掛けたのか?)
安藤は、なぜあの場面でチェーンを掛ける必要があったのだろうか?
単純に、「N作戦-Ⅱ」で仲間外れにされ、腹が立ったからなのか。
希美も西崎も、野口夫妻も俺に隠れて何をしているんだ?という疎外感からなのか?
西崎が野口宅に偶然来るはずなんかない。
絶対になにかある。
西崎がその時口走った「杉下希美が罪の共有をした王子様(成瀬)」という発言。
俺はそんな話、何も聞いていないし知らない。
そして野口宅入っていく西崎。
まだ若い安藤は、腹が立ってそのままチェーンを掛けた…。
このチェーンのくだりは私はこう解釈しました。
もっと深い意味があってチェーンを掛けたのか?
原作では描かれいませんが、ドラマでは安藤の心の中の声でその理由(気持ち)が明らかにされています。
「杉下、本当に困ったら、誰に助けを求める?」
「誰に頼る?俺に電話をかけて来い!」
原作ではここまで具体的に表現されてはいませんが、ドラマでは希美が自分に助けを求めてくるのではという賭けに打って出たとも取れます。
そして、安藤は頃合いを見てチェーンを外すつもりでいましたが、野口貴弘にそこ(ラウンジ)で待てと言われ、そのまま眠ってしまいました。
起きて部屋に向かったときには、なぜか部屋のチェーンが外れていましたが、マンションのロビーに来ていた成瀬が、希美の「成瀬くん、助けて」という声を聴き、野口夫妻の階に飛んで行き、中に入る時に外しました。
(※成瀬は警察にチェーンの件は黙ってた)
▼安藤が野口貴弘と行うはずの将棋の勝負
この日、安藤が野口貴弘と行うはずの将棋の勝負には、安藤が海外の僻地に飛ばされるかどうかという勝負がかかっていました。
安藤が野口貴弘に負ければ僻地行き。
それを知った希美は、安藤を僻地になんか行かせないため、西崎が奈央子を連れ出そうとしていると野口貴弘に告げ口します。
野口貴弘が西崎を殴って傷害事件になれば、阻止する事が出来ると咄嗟に判断したのです。
当の安藤は僻地行きも良いかもしれないという気持ちだった様です。
以前、希美から「僻地じゃ何もできないくせに!」という様な事を言われたことがあり、僻地でもやっていけるという意地を見せたかったと思われます。
その後安藤は、僻地に飛ばされること無く世界のメジャーな国で活躍することに。
野口夫妻の死によって、結果的には希美の安藤を守りたい、という気持ちは達成されましたが…。
しかし、希美が安藤のためにした事は、安藤には伝わらないまま、安藤は結局のところ、事件の真相は何も知らないままでした。
杉下希美と安藤望。同じ名前の二人は、お互いの人生を大きく変える間柄となっていきましたね。
▼安藤望の過去と人物像
安藤望、23歳。(ドラマでは賀来賢人)
典型的な努力タイプ。
生まれ育ったのは人口3000人に満たない、全国版の天気予報でも省かれてしまうほどの九州地方の小さな島。
島では同級生より、勉強もスポーツも秀でていました。
島の年寄連中から「神童」と呼ばれていたそうでしたが、その秀でた能力は努力によるものでした。
彼の”向上心”は凄まじいものがあります。
小さな島の中でトップになってどうする?
この能力を広い世界で活かせなければ意味がない!という考え、高校卒業を期に東京の大学に進学しました。
彼は向上心と野心の塊のような男でしたが、杉下希美と出会って影響を受け大きく変わっていきます。
▼安藤を変えた住人達(野ばら荘での暮らし)
「野ばら荘」というオンボロアパートで、管理人の野原のじいさんや、西崎、そして希美過ごした日々。
台風で野ばら荘の屋根が飛び、1階が床下浸水した晩に、2階の住人だった彼は杉下希美と西崎真人に出会います。
三人で酒を飲み交わし、そして野ばら荘の修理を希美や西崎とともに手伝います。
安藤は、勉強やスポーツは得意でも、大工仕事や料理は苦手でした。
希美は安藤に、「安藤は勉強とサッカーしかできないよね」と言います。
安藤はそれにカチンと来ます。
「しかってなんだよ、俺の努力は並大抵じゃないぞ」と言い返します。
希美が、「勉強とサッカーが出来ることは凄いと思うけど、世界の僻地で勝負できるの?」と言いますが、安藤は「何言ってんだこいつ?」と思っています。
ここは、重要な伏線になりますが気が付きましたか?
そして安藤は、希美から将棋を教わるのですが全然勝てません。
負けず嫌いな安藤は悔しがります。
なりゆきで希美と同じビルの清掃のバイトを始めた安藤ですが、ある時、安藤と一緒にバイトをしていた希美は高層ビルからの眺めをぼーっと見ていました。
希美はもともと実家が青景島の高台にあるお城のような家に住んでいたので、高いところからの眺めが好きなんでしょうか?
安藤は希美がなぜ高いところが好きなのか理解できません。
安藤は島での希美の過去の出来事を知りませんし、知る由もありません。
安藤がもしそれを知っていたら、どう思ったでしょうか?
その後、清掃のアルバイトのためのスキューバダイビングのライセンスを取り、安藤と希美は二人で東京湾の清掃をしました。
その後安藤は、世界を相手に仕事をするため第一志望の総合商社のM商事に内定をもらい、M商事にいたのは野口貴弘でした。
安藤と希美は、別のボランティアで彼とその妻奈央子と知り合うことに。
安藤の恩返し(希美の望みを叶える)
安藤がM商事内定をもらう際、希美と一緒に行ったボランティア清掃は、面接でも大いに役立ち、希美が清掃のアルバイトに誘ってくれたことを感謝します。
今度は安藤が、希美が昔から憧れていたビル清掃のゴンドラに乗りたいという夢を叶えさせてあげました。
本来、体重50kg以下ではゴンドラでの清掃は出来ないのですが、希美に重りを付けて乗せてあげたのです。
希美はこの一件で、安藤に物凄く感謝し、そして彼女は後に安藤を守ろうとして嘘をつくことになります。
この後、安藤は例の事件に巻き込まれることになります。
詳しくは【最終回ネタバレ】へ
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